【活動報告】リハビリデスクとは?
2017/06/09
有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅へセラピストの配置をしているところはあまり見かけない。
リハビリというサービスを受ける際には、訪問リハのサービスを導入することが一般的な風習となっている。
しかし、訪問リハは週に1度か2度の関わりであり、担当セラピストとの連携が取れているかと問うと疑問が生じる。
我々ケアレンツでは、そんな施設側のニーズを基に、”リハビリデスク”というサービスを生み出した。
リハビリデスクを簡潔に説明すると、「リハビリの外注」の保険外サービスである。まず、施設側とセラピスト側のメリットを分けて考えてみる。
施設側は、入居している方々の身体機能の維持・向上を願うのはもちろんのことである。
また、入居している方の家族も同じ気持ちである。しかし、入居者の身体機能の把握は果たしてしっかりできているのだろうか?
普段行っている介助方法は適切なものなのか?スタッフはこのような疑問を抱きながら日々の業務を行っているとの声があがった。
そんなときに毎日ではなく、入居者一人ひとりの”アセスメント”に焦点を当て、週に一度または二度セラピストが定期的な評価を行い、「介助方法」「環境調整」「個別の運動プログラム(実施者は施設スタッフ)」等を作り出す。
こうすることにより、施設全体で入居者の心身機能を把握することができる。
また、この情報はケアレンツ独自のWeb上での管理となっているため、いつでも好きなときに閲覧することが可能であり、施設スタッフが個別でより詳しく聞きたいときにもすぐに対応できる仕組みとなっている。
セラピスト側は、一週間または二週間に一度、”スキルアップを伴う副業”という形で実際の現場介入を行っていただいている。業務内容は3ヶ月ごとの定期的な評価(主訴・問題点・個別のリハビリメニューの作成・環境調整等)、その都度施設側から提示される困難事例の評価、介助方法の指導等様々である。実際にその場でアセスメントを行い、これに基づいた方向性を決め、伝達するという仕組みだ。セラピストの業務の中で一番ポイントとなる点は、週一回程度しかこの現場に行かないという点だ。介助方法を例とする。普段の業務であれば、現場のスタッフへその場その場での直接指導が可能である。しかし、この現場はこうもいかず、いかに施設スタッフに単なる介助ではなく”自立支援”を意識した介助を行っていただけるかというラインを見極めることが重要となる。またこれを指導できるのはセラピストにしかできない能力である。
実際に活動いただいているセラピストは様々である。
・回復期に所属の方
・フリーランスで活躍している方
・通所介護で活躍している方
普段の業務ではあまり
当たり前だが、セラピストが普段関わるクライエントは所属している病院や会社に関係する領域の方にとどまってしまう。
今回の施設での対象はいわゆる「維持期」または「終末期」と呼ばれる方へのアセスメントである。普段の業務では関わっていない対象の方が多い。
そのため、セラピスト自身で工夫し、考えることがいつも以上に必要となってくる。