「ヒヤリハット報告ソリューション」 その2 ~ヒヤリ・ハット対策に専門職の知見を~
2018/09/06
ケアレンツが最近おこなっている取り組み 「ヒヤリハット報告ソリューション」 について報告 (その1) の続きになります。
前回の記事では、 ヒヤリハットを音声で入力できるタブレットアプリを使って現場からインシデント情報を集めるところまでご説明しました。
現場から入力頂いた様々なインシデント(約4,000件)を弊社にて独自分析したところ、転倒/転落事故に結びつく危険性が高いインシデントで半数を占める結果となりました。
【図1:インシデントから予測される事故の割合】
既存の事故報告の集計分析結果でも、転倒転落事故が4~5割、誤嚥・誤薬事故が1~2割という数値が出ていますので、インシデント報告の割合が事故事例の割合と正の相関関係を示す形が大雑把に見受けられるようです。
現場での事故防止のために、現場からのヒヤリハットを集めて対策を練る重要性について、我々も改めて実感を得ることができたと感じました。
さて、事故の芽はこれで掴めたとして、実際の事故防止の施策をどのように行っていけばよいでしょうか? ここのラインを現実的なものとするために、我々はこの数ヶ月間、実際に現場への訪問を重ね、試行錯誤を行っていまいりました。
今回のヒヤリハットソリューションで、最初の段階からシステムとして用意したのは、インシデントの内容に合わせててシステムが自動判定で提案する対策案の提示でした。
【図2:インシデント対策表 (一部)】
このインシデント対策表では、事故の発生するシチュエーションを定義した上で、対応する対策案を総論的に提示しています。
(シチュエーション例:ベッド起き上がり時/トイレのドア開け締め時/便座着座時/杖歩行時/パーキンソン病患者行動時/送迎時など)
大きな制約となるのは、対策案提示のための判断材料となるものが、数行程度のインシデント報告のみということです。対象者や介護者の詳細状況はわからない部分が多いため、確定的に絞った対策は出せません。ですので、多数の対策案を提示して、どれを採用するかは現場を一番良く知る現場の方々に判断を委ねる、という形にしています。
提示する対策案は、多数のPT・OT・STの知見を集めた集合知として作っており、何も無いところからゼロベースで対策を考えるよりも遥かに効率的に様々な対策案を検討できてありがたいと、現場の介護職の方々のご意見も頂いております。
(※本インシデント対策の検討については、以前皆さんにご参加頂いたワーキンググループでの検討内容も反映させております。ご協力ありがとうございました)
ただ、このような形での対策案の包括的な提示では、
現場の介護職の方々の手に余る困難事例への対応策検討はどうすればいいか? 専門職の出番です。
我々は施設側に働きかけ、専門職による困難事例対応を様々な形で提案し、実施してまいりました。
【図3:介護現場専用の動画アドバイスシステム】
施設の抱える課題を予め具体化した上での専門職による現場介入の効果は大きく、実際に介護現場が抱える困難事例を軽減または解消できた実績も付いてきております。
また、AとBとの組み合わせで、Bで作成した動画教材を使って施設職員様への講習会の実施も行っておりますが、実際に毎日触れている入居者の方を具体例とした講習は大変職員様の受けが良く、毎回好評を頂いております。
これらのサブワークについては、今まで何回か会員メルマガを通じて会員の皆様に募集をお掛けしておりますが、今後も同様のサブワークを増やしていくべく取り組んでおります。
以上、現在ケアレンツ社が、ヒヤリハット活動への介入を通じて行わせて頂いている現場改善の取り組みについて、簡単にご紹介いたしました。
これらの取り組みはまだ発展途上状態ですが、
専門職の皆様には、今後も様々な形での仕事(週●日だけ働けるサブワーク/空き時間で行えるオンラインワーク/フルタイムで安定して現場に入り込めるフルワーク)のご紹介に取り組みますので、今後ともケアレンツをどうぞよろしくお願いいたします。
また、本件のような取組にご興味の有る知人・友人の専門職の方がいらっしゃったら、ぜひ本サイトへの登録をご紹介頂ければ幸いでございます。
前回の記事では、 ヒヤリハットを音声で入力できるタブレットアプリを使って現場からインシデント情報を集めるところまでご説明しました。
(1)実際のインシデントからわかること
現場から入力頂いた様々なインシデント(約4,000件)を弊社にて独自分析したところ、転倒/転落事故に結びつく危険性が高いインシデントで半数を占める結果となりました。
【図1:インシデントから予測される事故の割合】
既存の事故報告の集計分析結果でも、転倒転落事故が4~5割、誤嚥・誤薬事故が1~2割という数値が出ていますので、インシデント報告の割合が事故事例の割合と正の相関関係を示す形が大雑把に見受けられるようです。
現場での事故防止のために、現場からのヒヤリハットを集めて対策を練る重要性について、我々も改めて実感を得ることができたと感じました。
さて、事故の芽はこれで掴めたとして、実際の事故防止の施策をどのように行っていけばよいでしょうか? ここのラインを現実的なものとするために、我々はこの数ヶ月間、実際に現場への訪問を重ね、試行錯誤を行っていまいりました。
(2)介護現場への対策案の提示(PT・OT・STの専門職としての知見をライトな形で提供)
今回のヒヤリハットソリューションで、最初の段階からシステムとして用意したのは、インシデントの内容に合わせててシステムが自動判定で提案する対策案の提示でした。
【図2:インシデント対策表 (一部)】
このインシデント対策表では、事故の発生するシチュエーションを定義した上で、対応する対策案を総論的に提示しています。
(シチュエーション例:ベッド起き上がり時/トイレのドア開け締め時/便座着座時/杖歩行時/パーキンソン病患者行動時/送迎時など)
大きな制約となるのは、対策案提示のための判断材料となるものが、数行程度のインシデント報告のみということです。対象者や介護者の詳細状況はわからない部分が多いため、確定的に絞った対策は出せません。ですので、多数の対策案を提示して、どれを採用するかは現場を一番良く知る現場の方々に判断を委ねる、という形にしています。
提示する対策案は、多数のPT・OT・STの知見を集めた集合知として作っており、何も無いところからゼロベースで対策を考えるよりも遥かに効率的に様々な対策案を検討できてありがたいと、現場の介護職の方々のご意見も頂いております。
(※本インシデント対策の検討については、以前皆さんにご参加頂いたワーキンググループでの検討内容も反映させております。ご協力ありがとうございました)
ただ、このような形での対策案の包括的な提示では、
- 忙しい現場の介護職が見て検討する時間が無い
- 経験の浅い新人介護職ではどの対策案を採用して良いのか自分で判断が付きかねる
(3)専門職の直接介入機会の創出 (現場訪問 & 遠隔オンラインアドバイス)
現場の介護職の方々の手に余る困難事例への対応策検討はどうすればいいか? 専門職の出番です。
我々は施設側に働きかけ、専門職による困難事例対応を様々な形で提案し、実施してまいりました。
- 専門職が直接訪問できる場合 : 予め施設側に、専門職に相談したい困難事例の方をリストアップして頂いた上で、日程を合わせて専門職が施設に訪問し、直接アドバイスを実施
- 遠隔オンラインアドバイスの場合 : 施設側に困難事例の方を動画で撮影して頂いた上で、我々が開発した介護現場専用の動画アドバイスシステムを通じて専門職が都合のいいタイミングでアドバイスを実施
【図3:介護現場専用の動画アドバイスシステム】
施設の抱える課題を予め具体化した上での専門職による現場介入の効果は大きく、実際に介護現場が抱える困難事例を軽減または解消できた実績も付いてきております。
また、AとBとの組み合わせで、Bで作成した動画教材を使って施設職員様への講習会の実施も行っておりますが、実際に毎日触れている入居者の方を具体例とした講習は大変職員様の受けが良く、毎回好評を頂いております。
これらのサブワークについては、今まで何回か会員メルマガを通じて会員の皆様に募集をお掛けしておりますが、今後も同様のサブワークを増やしていくべく取り組んでおります。
以上、現在ケアレンツ社が、ヒヤリハット活動への介入を通じて行わせて頂いている現場改善の取り組みについて、簡単にご紹介いたしました。
これらの取り組みはまだ発展途上状態ですが、
- 介護される方のQOLを上げる
- 介護する現場の介護者の方の肉体的・心理的負担を減らす
- 専門職の皆様がその知見を活かせる場を広げる
専門職の皆様には、今後も様々な形での仕事(週●日だけ働けるサブワーク/空き時間で行えるオンラインワーク/フルタイムで安定して現場に入り込めるフルワーク)のご紹介に取り組みますので、今後ともケアレンツをどうぞよろしくお願いいたします。
また、本件のような取組にご興味の有る知人・友人の専門職の方がいらっしゃったら、ぜひ本サイトへの登録をご紹介頂ければ幸いでございます。