介護施設に響き渡る、高齢者の笑顔を作る美しい音色。
2016/03/04
美しい音色が、そこに響き渡る。
微笑みながら、その音色を聴く。
みんなが歌い始める。
そして、一体感が醸成される。
コンサートホールの話ではない。
介護施設での話だ。
介護施設に入所している高齢者や地域住民の方々が集まってくる場がある。
一流の演奏家が “本物”の音色を作っている場が、そこにあるからだ。
「介護施設にいると、良い音楽を聴く機会は少なくなっていきます。でも音や歌というのは人間の本能の一部なのです。」
そう語るのは、音楽会をプロデュースしている「音楽の花束」代表であり、ピアノ・オルガン奏者の後藤京子さんだ。
後藤さんは、介護施設などで、著名な演奏家とともに、高齢者の方々に“本物の”音を届けるご活動をされている。
「私たちが実践していることは、“音楽療法”ではありません。プロの演奏家・演出家が持つ“本物”の音を通して、それを身近に感じてもらう機会を作り、高齢者の方々の笑顔を生み出すことなのです。」
と、後藤さん。
後藤さんご自身も東京音楽大学卒のプロの演奏家だ。
演奏家としての顔だけではなく、演奏家と聴き手のニーズをマッチさせるプロフェッショナルでもある。
高齢者の方々が良い音楽を聴くことができる機会をもっと作っていきたいと考えている後藤さん。そのために彼女は、“きらめき認知症シスター”という資格も取得し、認知症の事も学んだ。
その想いに、一流の演奏家が集まってきてくれるのだ。
音楽大学の教授や、コンサートホールをお客さんで埋め尽くすことができる著名な演奏家の方、ミュージカルの俳優・女優さんまで、第一線で活躍されている方々が参画されている。
その音楽の楽器も様々で、現在まで“打楽器”“管楽器”“弦楽器”“声楽”“ピアノ”“邦楽”など、多岐に渡る音楽を高齢者の方々に届けている。
後藤さん
「うれしいことに、一流の演奏家の皆様にご協力いただいております。よくプロの方々に言って頂けるのは、“お客さんひとりひとりとの距離が近くて、新しい出会いがあるのが良いですね”ということです。」
コンサートのスペシャルゲストとして、日本を代表する男性コーラスグループの「デュークエイセス」さんに参加してもらったこともあるそうだ。
私が見学させていただいたのは、介護付有料老人ホーム「アライブ世田谷下馬」で開催された後藤さんと打楽器奏者の藤本隆文さんが演奏する“マリンバの会”。藤本さんも著名な演奏家で、元神奈川県フィルハーモニー管弦楽団の首席ティンパニ奏者であり、東京藝大器楽科准教授でもある方だ。
-打楽器奏者の藤本隆文さん-
「音楽の花束」の演奏会が素敵なのは、音を楽しむだけでなく、後藤さんや藤本さんがまるで音のように滑らかに、参加者と双方向でコミュニケーションを取っていることだ。
楽器の歴史から、楽器の持ち方まで学び、懐かしみ、実践する。
そのコミュニケーションの中心に、音と参加者の笑顔がある。
最初は歌うのを恥ずかしがる高齢者の皆様も、徐々に声を出して歌いだす。
隣の人と会話を始める。
プロの演奏家に質問をし始める。
そして、普段まったく話さない人が、最後には大声で歌う。
それを介護施設の施設長も温かく見守る。
-職員の方と一緒に歌う入所者の方-
この日は、「ふるさと」「冬景色」「ゆきやこんこん」「おぼろ月夜」エルガーの「愛の挨拶」など、様々な曲が演奏された。
そこにいる全員が、歌詞が書かれた紙を持って、抑揚をつけながら歌ったり、目を瞑って耳を澄ます。
後藤さん
「音楽の花束では、人の出会いと音の出会いを重視しています。基本的には皆さんが知っている曲を選曲することも多いですが、全く新しい曲との出会いも生み出したいと考えています。コンサート企画はオーダーメイドで、ご希望をお伺いしながらプログラムを組みます。」
プロの演奏家が作り出すこだわりのある“本物”の音。
その研ぎ澄まされた空間と一瞬が、高齢者の笑顔も同時に作り出す。
環境は問わず、「音」という人間の本能に訴えかける説得力が、介護の現場に一体感と笑顔を生み出している。
Photo by Hiroki Kondo
FBページ:https://www.facebook.com/hiroki.kondo.photography
ホームページ:http://www.hirokikondophotography.com/
協力
介護付有料老人ホーム「アライブ世田谷下馬」
http://www.alive-carehome.co.jp/index.shtml
微笑みながら、その音色を聴く。
みんなが歌い始める。
そして、一体感が醸成される。
コンサートホールの話ではない。
介護施設での話だ。
介護施設に入所している高齢者や地域住民の方々が集まってくる場がある。
一流の演奏家が “本物”の音色を作っている場が、そこにあるからだ。
「介護施設にいると、良い音楽を聴く機会は少なくなっていきます。でも音や歌というのは人間の本能の一部なのです。」
そう語るのは、音楽会をプロデュースしている「音楽の花束」代表であり、ピアノ・オルガン奏者の後藤京子さんだ。
後藤さんは、介護施設などで、著名な演奏家とともに、高齢者の方々に“本物の”音を届けるご活動をされている。
「私たちが実践していることは、“音楽療法”ではありません。プロの演奏家・演出家が持つ“本物”の音を通して、それを身近に感じてもらう機会を作り、高齢者の方々の笑顔を生み出すことなのです。」
と、後藤さん。
後藤さんご自身も東京音楽大学卒のプロの演奏家だ。
演奏家としての顔だけではなく、演奏家と聴き手のニーズをマッチさせるプロフェッショナルでもある。
高齢者の方々が良い音楽を聴くことができる機会をもっと作っていきたいと考えている後藤さん。そのために彼女は、“きらめき認知症シスター”という資格も取得し、認知症の事も学んだ。
その想いに、一流の演奏家が集まってきてくれるのだ。
音楽大学の教授や、コンサートホールをお客さんで埋め尽くすことができる著名な演奏家の方、ミュージカルの俳優・女優さんまで、第一線で活躍されている方々が参画されている。
その音楽の楽器も様々で、現在まで“打楽器”“管楽器”“弦楽器”“声楽”“ピアノ”“邦楽”など、多岐に渡る音楽を高齢者の方々に届けている。
後藤さん
「うれしいことに、一流の演奏家の皆様にご協力いただいております。よくプロの方々に言って頂けるのは、“お客さんひとりひとりとの距離が近くて、新しい出会いがあるのが良いですね”ということです。」
コンサートのスペシャルゲストとして、日本を代表する男性コーラスグループの「デュークエイセス」さんに参加してもらったこともあるそうだ。
私が見学させていただいたのは、介護付有料老人ホーム「アライブ世田谷下馬」で開催された後藤さんと打楽器奏者の藤本隆文さんが演奏する“マリンバの会”。藤本さんも著名な演奏家で、元神奈川県フィルハーモニー管弦楽団の首席ティンパニ奏者であり、東京藝大器楽科准教授でもある方だ。
-打楽器奏者の藤本隆文さん-
「音楽の花束」の演奏会が素敵なのは、音を楽しむだけでなく、後藤さんや藤本さんがまるで音のように滑らかに、参加者と双方向でコミュニケーションを取っていることだ。
楽器の歴史から、楽器の持ち方まで学び、懐かしみ、実践する。
そのコミュニケーションの中心に、音と参加者の笑顔がある。
最初は歌うのを恥ずかしがる高齢者の皆様も、徐々に声を出して歌いだす。
隣の人と会話を始める。
プロの演奏家に質問をし始める。
そして、普段まったく話さない人が、最後には大声で歌う。
それを介護施設の施設長も温かく見守る。
-職員の方と一緒に歌う入所者の方-
この日は、「ふるさと」「冬景色」「ゆきやこんこん」「おぼろ月夜」エルガーの「愛の挨拶」など、様々な曲が演奏された。
そこにいる全員が、歌詞が書かれた紙を持って、抑揚をつけながら歌ったり、目を瞑って耳を澄ます。
後藤さん
「音楽の花束では、人の出会いと音の出会いを重視しています。基本的には皆さんが知っている曲を選曲することも多いですが、全く新しい曲との出会いも生み出したいと考えています。コンサート企画はオーダーメイドで、ご希望をお伺いしながらプログラムを組みます。」
プロの演奏家が作り出すこだわりのある“本物”の音。
その研ぎ澄まされた空間と一瞬が、高齢者の笑顔も同時に作り出す。
環境は問わず、「音」という人間の本能に訴えかける説得力が、介護の現場に一体感と笑顔を生み出している。
Photo by Hiroki Kondo
FBページ:https://www.facebook.com/hiroki.kondo.photography
ホームページ:http://www.hirokikondophotography.com/
協力
介護付有料老人ホーム「アライブ世田谷下馬」
http://www.alive-carehome.co.jp/index.shtml
活動の概要
活動名 | 音楽の花束 |
活動場所 | 東京都 |
活動を主催している団体名 | 音楽の花束 |
URL 1 | http://www.ongakuno-hanataba.com/ |
URL 2 |