M.Y さん、はじめまして。

理学療法士の波多野と申します。

ご両親様が洋式トイレへのリフォームの提案に対して、このままでよいと感じている理由がさらにわかり、M.Y さんの提案に前向きに検討し始めて頂けるといいですね。

「和式は足腰を鍛錬するという効果もあるのでしょうか」ということですが、和式トイレの使用が減り、日本人の足の力が弱くなっているという考え方があります。
洋式トイレに座ることに比べて、和式トイレにしゃがみこむことは足腰の力は使います。
まだまだ活動的なご両親様も、トイレでの排泄は毎日すること、数時間に一度すること、夜中にもすることです。ご両親様にとって、快適に排泄することが優先かと考えます。

「いつまでも和式トイレでという考え方も良いのでしょうか」ということですが、和式トイレでの前かがみの姿勢は、便が出やすい姿勢です。
いきみで便を押しだすことに余計な力を使わずに排便できるため効率的な姿勢です。
「いつまでも、できることを続けたい」というご本人様のご希望を尊重することはとても良い考え方です。
しかし、洋式のトイレは楽です。怪我や病気でお身体が衰え、トイレに心配がある方、実際の動きを見て心配がある方に、お身体や動きに合わせて、洋式トイレにするようご提案しています。痛みや転倒することを予防するためです。

ご両親様の世代では、洋式トイレの使い方に迷いを覚え、抵抗を感じた経験がある人もいます。抵抗感の理由として、洋式トイレでは力の入れ方がわからない、便が出るか心配などです。
　M.Yさんから、今のトイレを使用する際に、両腕や腰、股関節や膝関節に痛みがないか、本当は痛みを我慢していないか、洋式トイレに対しての心配事の有無をご両親様に確認してみてはいかがでしょうか。

M.Yさんはじめまして。
作業療法士の渡部と申します。
お手洗のみならず、離れて暮らしていると、とっても心配な問題ですね。
ご相談ありがとうございます。
波多野さんより詳細お話をされておりますので、また、少しだけ切り口を変えまして、返答を致します。

幼少の頃、実家が和式トイレで、古民家に住んでおりました。同じく家族が高齢になり、洋式トイレに改修しました。波多野さんがおっしゃる様に、若い家族はすぐに適応をしたのですが、祖母は、当初、便秘に悩まされておりました。

上記には、こんな理由がありました。

①おしりが痩せてて、便座の中に落ちそうな感覚があって落ち着かない
②骨が当たって痛い
③お腹に力が入り難い
④足に力が入り難い（身長が足りないので、足に踏ん張りがきかない）

上記に関しては、外出の際にも、抱いていた感覚だった様なのですが、家族の足腰が弱ってきていたこともそうですが、汲み取り式の和式だったので、手間や臭気の問題もあり、やむなく改修を選びました。

結果的には、日中は、畑（外）で和式スタイルの排泄をし、①～④の苦痛より、これまでのスタイルを選択するというオチがつきました。ご高齢の方は、生活のスタイルや習慣を変えることが、マイナスの作用に繋がることも少なくありません。

「このままでいいよ！」
このご両親がおっしゃる真意をまずは伺いたいです。

何か不快・失敗体験があるのか？
今は必要だと感じていないのか？
金銭的に負担をかけたくないと思っているのか？
言われたくない内容であったのか？

などなど、いろいろお考えがある可能性があります。そのお気持ちを伺ってみると、次の一手が見えてくるかもしれません。

余談ではありますが、ポータブルトイレというもの（お部屋などで使用する様なもので、トイレの形をしたものや椅子の様な家具調のものがあります）や、据え置き型の和式のトイレにぽこっとはめ込む様なものもあります。安いものですと、5000円程からありますので、一時的に利用をされたり、導入前（改修前）にお試しで使用されたりする方もいらっしゃいますが、またこれは、真意を聞かれた上で、やはり導入をされた方が、今のお体には洋式の方が安全！とご判断された場合の選択枝になるかと思いますので、ひとまずは情報提供のみ失礼します。

お手洗問題は、多くの方にとって、自尊心などに関わるとてもデリケートなものであることが多いです。特に、とても身近な方から、心配をされると、怒り出す方も少なからずいらっしゃいます。お互いがお互いを思うあまりに、核心に迫る話ができないことも・・・。実際に、お体に不調をきたし、転倒などを繰り返したり、お手洗での失敗などがあるにもかかわらず、環境調整を選択されないといった場合は、専門のスタッフがお手伝いした方がｽﾑｰｽﾞになることもありますので、またご相談くださいませ。

それでは、またご連絡お待ちしております。

波多野様
渡部様

有難うございました。
年末年始、両親のもとに帰省した際に、お二人のアドバイスをもとに話をいたしました。
股関節や膝関節に我慢できないほどの痛みではないが多少の痛みは膝に感じている、外出の際に使用する洋式よりも、自宅の和式が力が入りやすいとのことでした。
痛みや転倒の予防の観点から、じっくり説得して春先までには変更したいと改めて感じた次第です。このたびはご丁寧に回答いただき大変助かりました。

M.Yさん
お話ができて何よりです。
介護における、様々な様式の変更は、十分な話し合いが必要であるといつも感じております。
また、変更後にも注意が必要です。生活習慣そのものを変える為、慣れ親しんだ仕草や動作のパターンなどが、体に染みついているため、あわや転倒！なんてことも考えられます。導入後に、少しだけ様子も伺ってみてください。

春の暖かくなった頃。ご両親の生活が、もっと、よりよいものとなっておりますように。