作業療法士の飯室と申します。

はじめまして。

マッサージについてですが、
高齢者の場合のみならず、一般の方にもですが「体を動かさないと動かしにくくなってしまう」という経験があるかと思います。
たとえば、久しぶりにスポーツをする場合や、少し長い階段をのぼったときに「体が動かしにくいなー、なまってきたなー」という感じです。
そのスピードが普段日常生活を行い、活動をしている私達と高齢者では差ができてしまいます。（加齢現象もありますが）
そのため、体を動かしていないと、筋肉が硬くなり、関節が動きにくくなり今できている活動（立ったり座ったりすること）に支障がでる恐れがあるためにリハビリスタッフがマッサージを行っているかと思います。

ですが、一番は本人と家族がしっかりと納得してのリハビリだと思います。どうなってもらいたいか、そのあたりを担当のリハビリスタッフに聞いてみても良いかと思います。
時間帯によってということなので、いない場合は聞きやすいスタッフに相談してみてください。

リハビリをさせていただく側の人間として、ご家族様の意向を直接伺うことができるのはとても貴重であり、ありがたいことですし、今後の方向性の指標となります。また何かありましたら、「オヤミル」へ書き込んでください。

参考にしていただけたら幸いです。

飯室さま

大変ありがとうございます。
リハビリの先生の意図が理解できました。
私はリハビリといいますとつい筋力トレーニングのようなものだけを想像しておりました。入居時にホームの方がリハビリの充実をうたっておられたので、ついつい物足りなさを感じておりました。今できている活動を継続することの大切さに思いが至りませんでした。
折を見て、リハビリの先生にお声かけしてみようと思います。

ヤマモトさんはじめまして。
作業療法士をしております渡部と申します。

お義母さまのことを真剣に考えていらっしゃるからこその気づき。私にとっても自分の考え方を見直す良いきっかけを頂きました。ありがとうございます。

リハビリの内容や目的に関しましては、飯室さんがお答えされておりますので、少しだけ別の切り口でお話しさせて頂ければと思います。

リハビリのスタッフ。”先生”と呼ばれることも決して少なくないのですが、ヤマモトさんやお義母さまにとって、「こんなことできたらな！」という目標を応援するサポーター、もしくは、一緒にクリアしていくパートナーみたいなものなんです。

ですので、まず、

①お義母さまに関する情報の共有
②情報に基づく目標決め
③具体的なリハビリのプラン決め
④リハビリ大作戦
⑤リハビリの振り返り

こういった、流れを一緒にやっていくことが必要かと思っています。
①でまずは、どこの部分が弱いのか、体力はどうか？生活の中ではどれだけ動けているのか？本当にやりたいことはなにか？これまでどんなことを大切にしてきた方なのか？などなど、お義母まの人となりをお伺いします。ヤマモトさんがお伺いした方が、心を開いて下さるかもしれません。②、③を行うにあたって、お義母さまの心がうきうき、ちょっとだけ頑張れる情報を集めます。

そして②です。例えば、
　「外出したときに、お家のお風呂にゆっくりつかりたいわ。」
　「昔来ていたスカートはきたいわ。」
　「昔作った炊き込みご飯作りたい。」
などなどが出てくるかもしれません（なかなか出てこないこともあります）。

もっと身近なものですと
　「（施設の中の）あそこのトイレまで歩けるようになりたい。」
　「レクリエーションでやる○○の時、少しでも上手くできたら。」
などもあります。

こういった、「○○したい」が出てきますと、①で得られた情報で、療法士は、

　リハビリでしっかり運動ができたら達成できるかな？
　少し工夫をして（環境を調整したり、ご家族やスタッフに協力してもらえれば）できるかな？
　これはなかなか難しいぞ！もう少し段階付けをしよう！

と考え、目標と手段、今後の計画ができてきます。

③，④では、協業が必要になることがあります。
例えば、
（１）１週間○曜日１回○分⇒リハビリの時間
（２）それ以外の時間⇒実践と練習の時間
という分け方ができます。（１）では（２）につながる様なリハビリをみっちりとやって頂き、可能でしたら、（２）で行う自主トレーニングや、ご家族、介護スタッフとできる実践や練習方法、課題などを危険のない範囲で伝えてもらえると良いかと思います。直接お会いできない場合は、交換ノートの様なものでもいいと思います。

最後に⑤。振り返りまでできたら、また新しい目標ができるかもしれません。そして①を始める。
そんなことができますと、とてもよいリハビリの時間になるのではないかと考えます。

これらは、私自身、介護保険でのリハビリ、外来リハビリなどを通しての、実感やリハビリテーションにおける流れにおいて、言葉を変えているものですので、少し調整は必要かもしれません。

何か、ご不明な点や、こんな課題が出てきて困っているなどなどありましたら、遠慮せずおっしゃって頂ければ幸いです。

渡部様
ご丁寧に大変有難うございます。
渡部様のように、本人の気持ちを大切に高齢者とはいえ長期的な視野をもって
リハビリをご指導くださる先生だと私ども家族はとても助かります。
目標を定めること、実践と練習時間の欠如を感じました。
本当にやりたいこと、これまで大切にしてきたことを、
本人とともに改めて考える機会を持つことができれば、
リハビリを通して、残された時間の過ごし方が変わるように思います。
改めて、御礼申し上げます。