ベテランケアマネジャーに聞いた!良いケアマネを見極める6つのコツ
オヤミル編集部
2016/04/12

利用者さんのために手間をかけられるケアマネジャー


(A)一方的に話すのではなく、利用者さんの話をきちんと聞く事ができるケアマネジャー
経験豊富なケアマネジャーであると、利用者さんの状況を聞けば、ある程度どこに課題があるか、課題解決方法は何かという仮説を作る事ができるのですが、まずは利用者さんの考えや想いを聞いてくれるケアマネジャーを探しましょう。

理由は、利用者さんが話しやすくなるというだけでなく、本当の課題が見つけやすいからです。

会話のキャッチボールをし、利用者さんのニーズを拾い、それを要約・確認し、アクションに落としていける人が良いケアマネジャーなのです。

(B)現場で発生した課題や依頼があれば、できる限り時間を割けるケアマネジャー

特に退院カンファレンスの時間は重視してください。
退院カンファレンスは利用者さんの想いや状況を話す重要な場です。
また、介護者さんや利用者さんは初めて見る福祉用具も多いはずですので、在宅に戻ってもスムーズに福祉用具を活用できるよう、退院前に福祉用具を病院に持ってきてもらうこともあります。

さらに言えば、車いすや杖などの専門家は理学療法士なので、理学療法士と連携して、利用者さんへアドバイスをします。

そういった事業者様や専門職との信頼関係の構築ができているというのもケアマネジャーを選ぶひとつの基準になるとは思います。
 

会話の中でも、ちょっとしたひと手間をかけられるケアマネジャー


会話の中で、どれだけあなたの想いを聞き出してくれるかを判断してみましょう。

例えば、あなたが「デイサービスの送迎の時間が少し早いのですが・・・」という依頼をした場合、「では、遅くしましょう。」と安易に対応する人ではなく、「なぜ早いと思いますか?」と理由をきちんと聞いてくれる人です。

会話を深堀りしてくれることで、あなたの生活リズム等も把握してもらえます。

「なぜデイサービスの時間が早いと思うのですか?」から始まって、「何時に起きるのか?」「何時に寝るのか?」という会話にまで発展します。

そうするとあなたが例えば「家族が23時に帰ってくるので、寝るのが遅いのです」「でも火曜日は孫が来るので、火曜日は寝るのは早いです」という生活リズムも話すことができます。

それを踏まえて、優秀なケアマネジャーは、「23時までは家族がいないので、何かあったときは対応できる準備をしておこう」という風に適切な準備をしてくれるのです。
もしくは、「火曜日にお孫さんが来ているのであれば、一緒にどこかにいけるようにリハビリしませんか」という新たな提案をしてくれるかもしれません。
 

あなたの課題を共有できるケアマネジャー


例えば「何か困っていることがありますか?」など、答えにくい質問をする人より、あなたの1日の過ごし方をきちんと聞いてくれるケアマネジャーが良いと思います。

朝起きて、トイレに行き、ベッドから起き上がるという動作の中で、例えばベッドから起き上がる時、トイレで便座に座る時に困ったことはないか、その時に家族はいるかなど、具体的に話を聞いてくれると、より課題が明確になります。「トイレ内での動作が難しいが、トイレが狭くて手すりを設置できない」という話が出てきたら、優秀なケアマネジャーは、具体的な福祉用具の紹介や住宅改修の紹介を行ってくれるのです。
 

ケアプランの本質を理解しているケアマネジャー


ケアマネジャーやケアプランの本質は、利用者さんが自立できるようにするために検討・支援することです。

利用者さんが掃除をできないのであれば、掃除ができるように身体機能の維持・向上や環境作りを整備していく事を、先に考える必要があるのです。

利用者さんが「転ばないように歩きたい」と言えば、「介護士に補助してもらいましょう」と安易に考えるのではなく、転ばないようにするための福祉用具を提案したり、訪問リハビリテーションをケアプランに入れたりする等の考えを持っているケアマネジャーを選びましょう。

もちろん、本当に訪問介護が必要な人もいますから、状況を見極めた上で訪問介護を提案してもらう事も重要です。

つまり、検討する順番が大切という事ですね。
 

色んな人の立場に立って提案してくれるケアマネジャー


先程の自立支援の話ですが、もちろん全員が自立したいと思っているわけではありません。

自立したいと思う人もいれば、寝たきりで良いと思う人もいます。

こんな事例があります。認知症のご主人をもつ奥様がいました。

ご主人は徘徊が始まり、家に帰れなくなる事も多く、ある日近くの駐車場で体中傷だらけで倒れていたそうです。結局寝たきりになった後に、ケアマネジャーが担当し、色々ご提案させて頂いたのですが、奥様は「寝たきり“が”いいんです。自立するとまた徘徊するから。」と。
でも、それは奥様側立場のご意見です。
だから、ご本人の立場にもなって、寝たきりになるのなら、せめて床ずれ・拘縮しないようにしようと考え、色々ご提案してくれるケアマネジャーを選びましょう。

単なる御用聞きではなく、バランスと状況に鑑みた上で、提案してくれるケアマネジャーが良いということですね。
 

最低限の医療の知識を持っているケアマネジャー


優秀なケアマネジャーは介護の知識だけでなく、ある程度医療の知識も持っています。

訪問診療や訪問歯科は医療保険ですし、実際に医療サービスを必要としている利用者さんもたくさんいるので、医療の“観点”も必要です。

例えば、訪問看護の看護師と訪問入浴の看護師は、できる医療行為の範囲が違います。

そういう事を知らずに、ケアプランに入れてしまうとトラブルの原因になりますので、最低限きちんとあなたに説明してくれるケマネジャーを選ぶと良いと思います。